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泉布観(せんぷかん)

明治天皇が命名した、大阪最古の洋館

川の駅はちけんやから北東へ徒歩約20分、大川のほとりに位置する国指定の重要文化財「泉布観」。1871(明治4)年に造幣局の応接所として建てられた、現存する大阪最古の洋風建築です。設計を手がけたのはアイルランド出身のトーマス・ジェームズ・ウォートルス氏。幕末から明治初年にかけて日本で活躍した技師で、造幣局や泉布観のほか東京の銀座煉瓦街なども設計しています。創業の翌年に明治天皇が訪れた際、“貨幣の館”を意味する「泉布観」と命名されました。

住宅ではないため、各部屋の用途はその時々で変化していたとされています。1階南室は最大の面積を誇り、食堂として使われることが想定されていたよう。暖炉と装飾タイルは明治期の洋館を代表する仕立てで、イギリス製のタイルも採用されています。

また、当時は舟運が盛んだったことから大川に面する東向きに建てられているのも特徴的。外周すべての面にベランダが設けられ、中廊下正面の扉からベランダに出ると、前庭ごしに大川を一望できます。

外観は10時〜17時(第2水曜・年末年始除く)にて通年公開され、内観は例年3月に一般公開(2025年はなし)。YouTubeにて内観の動画も配信され、貴重な洋館の雰囲気をたっぷり堪能できます。